この田宮くんが観たい!2021


ドラマ「うきわ-友達以上、不倫未満-」無事最終話まで見届けました。

まず第一にシンプルな感想として、良かった〜〜!(大の字)



振り返ってみればドラマの出演情報が解禁された714日はFNS歌謡祭でCreepy Nutsとコラボしてかつて天才だった俺たちへを披露した日で、その時を今か今かと待つオタクたちの元に突如として投げ込まれた不倫ドラマに出るという一報、不倫ドラマだけど演じるのはピュアな男の子らしい、相手役はちょうど干支二回り年上の女優さん、という嘘みたいな話たち、完走した今考えてみても夢なのかと思う。やっぱり夢かな?

とは言え「飲酒・喫煙・借金の三大アレ要素(察して)を抱えながら年上の人妻に一途な恋心を向けている痩躯の青年」という、オタクの夢の具現化の如き人物を見事に演じてくれた2021年夏のじゅりちゃん、本当にありがとう以外の言葉が見つかりません。

湿り気と色気を纏い、アンニュイな雰囲気の声色と屈託のない笑顔を兼ね備えて、炭酸水みたいな爽やかさでふわっと風みたいに現れて去っていった男の子。ドラマ出演にあたって共演者の方や製作陣がじゅりちゃんに向けてくれた言葉たちが本当に素敵で、大好きで、何度だって文字に起こしてなぞっていたい、ので、起こしました。素直!


私はきっと好きなアイドルが出演していなかったらこのドラマを観なかったと思うけど、出てくれて良かったと心の底から感じられる、素晴らしい時間でした。



彩度の低いざらついた映像の質感と、モノローグで直接的に描写するのではなく会話や仕草によって人物の心情を想像させる脚本。全体的に湿度は高いけれど、〝不倫ドラマ〟の文字列から想起される嫌な粘り気は不思議と無いところ。自分だけの秘密の宝物にした、ミニシアターで観る邦画みたいだった。

心の柔らかいところに突き刺さったものがじわりじわりと広がって、その正体を言語化して探ろうとせずにはいられない、そんな作品。



ただあまりにも、田宮くんが報われないし前を向けないし、背景も明かされないままだったなぁ。

お金を貸してくれたあの友達との距離感(わちゃわちゃしててお腹を触れるパーソナルスペースの狭さ…)は何?とか、過去の恋愛遍歴はママ活を疑われるようなものだったのかなとか。だとすると聖さんことも初めは一途な愛の対象じゃなかったのかもしれないし、それが彼にとって特別な存在に変わったのなら「いつ・何故」を知りたいし

田宮くんの色々なことが謎に包まれて曖昧なままだったのは作品の描写として〝正しい〟のはわかっているんだけど、そうは言っても私は田中樹さんのオタクなので彼の演じた田宮くんの今までとこれからが気になって仕方ないのも事実で。

そういうわけで、まだまだ観たいあーんな田宮くんやこーんな田宮くんの話を好き勝手に書き残しておこうと思います。




美大工芸科陶磁専攻の田宮くん


・木造アパートに連れ込んだ名前も知らない女の子と寝た薄っぺらい煎餅布団から明け方に一人抜け出してベランダで煙草をふかす田宮くん

・土が爪の間に入らないようにと常に深爪気味にしてたら行き摺りの女の子に好評で微妙な気持ちになる田宮くん

・夏は扇風機、冬は炬燵+どてらに身を包むことでどうにか乗り切ってきた田宮くん

・梅雨の時期は頭痛で苦しむし梅雨明けと共に夏バテになってしまい素麺しか受け付けなくなる田宮くん

・不摂生が祟って真夏にアパートでぶっ倒れてたのを隣人(のちに例の借金相手になるお友達)に助けてもらったことのある田宮くん

・食に対する関心が薄いので安い居酒屋のお通しで出てきてみんなが残した解凍の甘い枝豆を「手持ち無沙汰だから」という理由で無心で食べ続けてる田宮くん

・制作に集中すると寝食が疎かになるので急に電池切れになって大学の廊下に乱雑に置かれてる古びたソファの上で眠ってたしグラフィックデザイン学科の髪色の明るい女の先輩にごはん食べさせてもらってた田宮くん

・基本的には冷蔵庫に何も入ってないけどナッツとチーズと氷だけは常備してるしウイスキーをロックで飲むのが好きな田宮くん

・甘いカクテルは糖分補給代わり、ベイリーズミルク作るためにたまにコンビニでパック牛乳買うけど飲み切れなくて腐らせてしまう田宮くん

・牛乳ダメにする前にタイミングが良ければ近所の野良猫にお裾分けしてたけど実は猫の身体に良くないと知って落ち込む田宮くん

・課題で作ったお皿にキャットフードを盛ってあげる田宮くん

・エプロンの紐を結ばずに垂らしてたら野良猫に戯れつかれる田宮くん




◯陶芸教室の先生になった田宮くん


・ありえん色気を纏った先生のいる陶芸教室ができたということで地域のママ友ネットワークで大いに話題になった田宮くん

じゃらんニュースの「イケメン先生が教えてくれる東京の陶芸教室」特集に掲載される田宮くん(実在の記事だった)(この世はなんでもあり)

・振込み用口座の準備が中々整わなくてしばらくお月謝袋で会費を集めてた田宮くん

・疑似恋愛を売っているつもりはないけど生徒のマダムがしょっちゅう作品を買って行ってくれるので学生時代の友達各位にママ活とイジられてる田宮くん

・作品を評価されているわけではないことがわかっているので複雑な気持ちだけどこれも〝生活〟だと割り切る他ない田宮くん

・聖さんもすぐ買おうとしてくるの対等な関係じゃないように感じられるから嫌だけど、でも「繊細で歪」とかちゃんと作品に対する感想を言語化してくれることがあるのでそれは嬉しいなと思ってる田宮くん(でも聖さん引っ越すときに買ってたお皿全部処分するんだけどね…)(…)




◯最終話のその先の田宮くん


・聖さんの揚げてくれた唐揚げの味が思い出に変わって、それがいつしかトラウマになって、手作りのぬくもりを削ぎ落とした既製品しか受け付けなくなって結局からあげクンに辿り着く田宮くん

・一人でキッチンに立って料理をしながら晩酌してた夫を尻目に陶芸教室で唐揚げを揚げてくれた聖さんは確かに愛情の宿る〝生活〟の営みだったけど、それを知る由もない田宮くん

・バックハグで陶芸してた例の一件のときにパトリック・スウェイジと言われてもぴんと来なかったけど聖さんと別れてから不意にそのことを思い出して調べて(映画ゴーストか〜タイトルだけは知ってるけどそういえばちゃんと観たことないな〜…)と思って観てみたら情緒ぐちゃぐちゃになる田宮くん

・ずっと見てるのが辛くて、聖さんに託された花瓶は目につく机の上じゃなく窓辺にそっと置くしかなかった田宮くん

・借金の回収に来た友達に「花飾る趣味なんてあったっけ?」と言われて別に前から飾ってたよ自分で花瓶作ってたしと答える田宮くん

・聖さんが居なくなって明らかに煙草の量が増えたことを指摘されて「決めた額はちゃんと毎月返すから放っておいて」って言ったらそうじゃなくて普通に身体に悪いからと怒られる田宮くん

・お前に借りてたお金返し終わったらいよいよ一人だな〜猫でも飼おうかな〜〜って冗談めかして笑ってたら別に金のことがなくて生存確認にくらい来るけどって言われて不覚にも惚けてしまう田宮くん





背景を何も明かされないが故に借金相手の友達くらいしか沈み切った田宮くんのことちゃんと見つけてくれる人いないんじゃないかと思ってしまうのがつらい。

たっくんは1話から徹底的にしょーもない人物として描かれてたからあの幕切れは妥当だとして()、麻衣子にも二葉夫妻にも、たっくんの浮気相手のあの福田さんにだって背景の掘り下げがあって新しい一歩を感じさせてくれたのに、田宮くんだけがどこまでも曖昧で朧げな存在だったから、聖さんを失った田宮くんに残るのって滞納してる奨学金と借金の取り立てにくる友達くらいじゃないですか?でもあの距離感は割と気の置けない関係なんじゃないかと思うしそうであってほしいし…………



田宮くんには幸せになってほしいけど報われない恋心に溺れていく過程で放つ壮絶な色気にも抗えなくて、オタクってマジ業の深い生き物だな〜〜!それな〜

でもやっぱり最終的には幸せになってほしいかな。聖さんとあの別れ方したら容易に前は向けないと思うので、どん底もしっかりと味わい尽くしてもらって、その果てに一筋でも光が差し込めば、と。


田宮くんいつかちゃんと幸せになって結婚する日が来たら友人代表のスピーチはあの友達がやればいいし、こいつ一時期俺に金借りてて()を掴みネタにして良いと思うよ!




とりあえず2期だのスピンオフだの贅沢は言わないので、あの、友達の名前教えてくれません?